3枚のカードは、得意な支払い先が違う

ここからは、ビューカード、JCBカード W、三井住友カード NL系の特徴をもう少し詳しく見ていきます。どのカードが一番よいかを一律に決めるのではなく、自分の支出に合っているかどうかを基準に見ることが大切です。

クレジットカードは、広告やランキングだけを見ると「還元率が高いカードを選べばよい」と感じるかもしれません。しかし実際には、還元率が高くなる場所や条件はカードによって異なります。普段ほとんど使わない店舗やサービスで高還元でも、自分の生活ではメリットを感じにくい場合があります。

JR東日本の定期券を持っている方であれば、まずは通勤費やSuica利用に強いカードを確認するのが自然です。そのうえで、ネット通販、外食、コンビニなど、自分の支出が多い場所に合うカードを見ていくと、選びやすくなります。

ビューカード:JR東日本の定期券・Suica利用が多い人向け

JR東日本の定期券やSuicaをよく使う方がまず確認したいのが、ビューカードです。ビューカードはJR東日本グループのクレジットカードで、モバイルSuica定期券の購入やSuicaへのチャージなど、鉄道利用に関連する支払いと相性がよいカードです。

特に注目したいのが、モバイルSuica定期券の購入時です。ビューカード公式サイトでは、モバイルSuica定期券をビューカードで購入すると、条件を満たすことで合計5%還元になると案内されています。これは、モバイルSuica定期券の購入で付与される2%と、ゴールド以外のビューカードで決済したときに付与される3%を合計したものです。

定期券代は、毎月または数か月ごとにまとまって発生する支出です。たとえば、定期券代が月1万円の場合、年間では12万円の支払いになります。ここに5%還元が適用されると、単純計算で年間6,000ポイント相当になります。通勤のために必要な支出からポイントが貯まるため、JR東日本の定期券を使っている方にとっては見逃しにくいメリットです。

Suicaチャージでも1.5%還元を狙える

ビューカードは、定期券だけでなくSuicaチャージとの相性もあります。公式サイトでは、オートチャージ利用時のチャージで1.5%還元と案内されています。定期区間外の移動、駅ナカでの買い物、コンビニや飲食店での少額決済など、Suicaを日常的に使う方であれば、チャージ分からもポイントを貯めやすくなります。

たとえば、毎月6,000円をSuicaにチャージして使う場合、年間のチャージ額は72,000円です。1.5%還元で考えると、年間1,080ポイント相当になります。月1万円の定期券代とあわせると、定期券分で年間6,000ポイント相当、Suicaチャージ分で年間1,080ポイント相当となり、合計で年間7,080ポイント相当を見込める計算です。

支払い内容月の利用額例還元率の目安年間ポイント例
モバイルSuica定期券10,000円5%6,000ポイント相当
Suicaチャージ6,000円1.5%1,080ポイント相当
合計16,000円7,080ポイント相当

もちろん、実際に貯まるポイントは、定期券の購入方法、Suicaの登録状況、JRE POINTの登録状況、対象条件によって変わります。ただ、すでにJR東日本の定期券やSuicaを使っている方であれば、買い物を増やさなくても、いつもの通勤費やチャージの支払い方法を見直すだけでポイント還元を受けられる可能性があります。

貯まったJRE POINTはSuicaにチャージできる

ビューカードで貯まるJRE POINTは、Suicaにチャージして使える点も魅力です。ポイントを特定の商品に交換するだけでなく、Suicaにチャージすれば、電車代や駅ナカの買い物、Suica対応のお店での支払いに使いやすくなります。

クレジットカードのポイントは、交換先がわかりにくいと使い残してしまうことがあります。その点、Suicaを日常的に使っている方であれば、貯まったポイントを交通費や日常の支払いに回しやすいのはメリットです。

オートチャージで残高不足も防ぎやすい

ビューカードはSuicaのオートチャージにも対応しています。オートチャージを設定しておくと、Suica残高が一定額以下になったとき、自動改札機にタッチして入場するタイミングなどで自動的にチャージされます。

通勤時に残高不足で改札に止まると、朝の忙しい時間帯には大きなストレスになります。オートチャージを使えば、残高をこまめに確認する手間を減らしやすくなります。ポイント還元だけでなく、通勤時の使い勝手をよくできる点も、JR東日本の定期券利用者にとっては確認しておきたいポイントです。

ビューカードを確認したい人

  • JR東日本の定期券を使っている人
  • モバイルSuica定期券を購入している人
  • 定期券代が毎月1万円前後、またはそれ以上かかっている人
  • Suicaチャージを毎月行っている人
  • 駅ナカやコンビニなど、日常の少額決済でもSuicaを使う人
  • 貯まったポイントをSuicaにチャージして使いたい人

注意点として、5%還元の対象はモバイルSuica定期券など、条件を満たした利用に限られます。カード型の定期券や購入方法によっては、同じ還元率にならない場合があります。また、JRE POINTやモバイルSuicaの登録が必要になるため、申し込み前に公式サイトで最新の条件を確認しておきましょう。

JCBカード W:Amazonやネット通販をよく使う人向け

JR定期券とは別に、Amazonで日用品や家電、食品、ギフトなどをよく買う方なら、JCBカード Wも候補になります。JCBカード Wは、Amazon.co.jpでの買い物と相性がよいカードとして紹介されています。

Amazonは、日用品から家電、書籍、飲料、ギフトまで幅広い買い物に使われます。1回の買い物は数千円でも、毎月何度も利用していると、年間ではまとまった金額になります。普段のネット通販をコンビニ払い、代引き、別のカードでなんとなく支払っている場合は、支払い方法を見直す余地があります。

JCB公式サイトでは、JCBカード WやJCBカード W plus LなどがAmazon.co.jpでのポイントアップ対象として案内されています。ポイントアップ登録などの条件により、Amazon.co.jpでの利用時にポイント還元率が上がる場合があります。

JCBカード Wを確認したい人

  • Amazonで毎月買い物をする人
  • 日用品や家電をネット通販で購入することが多い人
  • 年会費無料のカードを探している人
  • 18歳から39歳で新たにカードを作りたい人

注意したいのは、JCBカード Wには申し込み年齢の条件があることです。JCB公式サイトでは、当カードへの入会は39歳以下限定と案内されています。39歳までに入会すれば40歳以降も年会費無料のまま継続できますが、40歳以上の方が新規で申し込むカードとしては対象外になります。

そのため、40代以上の読者が多い記事では、JCBカード Wを紹介する際に「39歳以下が申し込み対象」という条件を明記しておくことが大切です。Amazonでの買い物に向いたカードを探す場合でも、自分が申し込み条件を満たしているかを先に確認しましょう。

三井住友カード NL系:外食・コンビニをよく使う人向け

家族で外食する機会が多い方、コンビニをよく使う方なら、三井住友カード NL系も候補になります。対象のコンビニ・飲食店でスマホのタッチ決済またはモバイルオーダーを利用すると、条件に応じて高いポイント還元を受けられるのが特徴です。

外食費は、1回あたりの金額が大きくなりやすい支出です。家族で食事をすると、数千円単位になることも珍しくありません。さらに、平日のコンビニ、休日の外食、カフェ利用などが重なると、月単位ではかなりの金額になります。

三井住友カードの公式サイトでは、対象のコンビニ・飲食店でスマホのタッチ決済またはモバイルオーダーを使うと、対象カードで7%ポイント還元、Oliveフレキシブルペイのクレジットモードでは8%ポイント還元と案内されています。対象店舗をよく使う方であれば、支払い方法を確認しておきたいカードです。

三井住友カード NL系を確認したい人

  • 対象のコンビニをよく使う人
  • 対象の飲食店で外食する機会が多い人
  • スマホのタッチ決済を使える人
  • 家族の外食費をカードで管理したい人

ただし、条件には注意が必要です。カードを持っているだけで、どの支払い方法でも高還元になるわけではありません。スマホのタッチ決済やモバイルオーダーなど、対象となる支払い方法を使う必要があります。カード現物のタッチ決済、iD、差し込み、磁気取引などは対象外になる場合があります。

また、対象店舗や条件は変更されることがあります。外食やコンビニ利用を目的にカードを選ぶ場合は、申し込み前に公式サイトで対象店舗と支払い方法を確認しておきましょう。

比較するときは、年会費より先に利用シーンを見る

クレジットカードを比較するとき、年会費無料かどうかを最初に見る方は多いと思います。もちろん、年会費は大切なポイントです。しかし、それ以上に重要なのは、自分がそのカードの特典を使いやすいかどうかです。

ビューカードは、JR東日本の定期券やSuicaを使う人にとっては相性がよい一方、JR東日本エリアの利用がほとんどない方にはメリットを感じにくいかもしれません。JCBカード WもAmazon利用が少ない方には魅力が薄くなります。三井住友カード NL系も、対象のコンビニ・飲食店をあまり使わない方には向かない可能性があります。

カード得意な支払い確認したい条件
ビューカードJR定期券、Suicaチャージ、駅・鉄道関連モバイルSuicaの利用、JRE POINTの登録・付与条件
JCBカード WAmazon、JCB優待店、ネット通販申し込み年齢、ポイントアップ登録、ポイント交換レート
三井住友カード NL系対象コンビニ、対象飲食店、外食スマホタッチ決済、モバイルオーダー、対象店舗

このように見ると、カード選びは「還元率が高いカードを選ぶ」というより、「自分がよく使う支払い先で還元を受けやすいカードを選ぶ」と考えた方がわかりやすくなります。

JR東日本の定期券利用者なら、まずは通勤費から見る

JR東日本の定期券を持っている方は、まず通勤費から見直すのが自然です。Amazonや外食の支出も大切ですが、定期券代は毎月または数か月ごとにまとまって発生するため、カード選びの入口としてわかりやすい支出です。

そのうえで、Amazonをよく使うならJCBカード W、家族で外食する機会が多いなら三井住友カード NL系というように、自分の生活に合わせて候補を広げていくとよいでしょう。

次のページでは、実際にカードを申し込む前に準備しておきたいものや、確認しておきたい注意点を整理します。